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魚と言ったら焼津。お寿司を食べにいくならやっぱり港町。
暑い! 毎日どうかしているかと思うくらい暑い‼
会社から一番近い郵便局まで、200メートルの距離を歩くだけでくらくらします。
もうこうなると生きてるだけでエライ! 生きてるだけでごほうびいるよ、これはもう!
それに何より今、ごほうびごはんにお寿司が食べたい!
そしてせっかく食べるなら、魚の美味しい港町で食べたい!
というわけで以前から評判を耳にしていた焼津の名店「松乃寿司」さんへ行ってきました。
この日は日本中で30度越えの猛暑。ちょっと早めに出発してお店に着いたのは11時30分ごろです。
1964年(昭和39年)に開店したという焼津の老舗寿司店。
週末や休日はいつも満席と聞いていたので、こういうときだけしっかりしている私は、もちろん事前にカウンター席を予約してありました。
この日、港町焼津でお鮨を食べたいと思ったとき、こだわったことがありました。
せっかくお寿司屋さんに行ったらセットじゃなくて一貫ずつ食べたい!
ゆっくり味わいながら食べたかったこともあって11時30分にお店に入ると、意外にも私たちが最初のようです。
初めて感がいやおうなく出ている私たちの様子を察して、ご主人が優しい声で席に案内をしてくれます。
格式ばっているお店ではなく、昔からの近所の常連さんが集まるお寿司屋さんという雰囲気です。
といっても、ご近所の方ばかりではなく、この日も奥の方の席に座った方はこちらのお店のファンで都内から年に何回かはきているということでしたけど。
カウンター席から、この冷蔵ケースのネタを眺めるのっていいですよね。この新鮮なお魚たちが、さらに美味しくなって私の前にやってくると思うとわくわくします。
お寿司屋さんらしいというのか、メニューも料金表もありません。
目の前に立つご主人を見ると、白髪できりっとした雰囲気。
「もしかして厳しめの人だったらどうしよう」と思いましたが、
「今日はどこから?」「うちのお店は初めて?」と声を掛けていただき、いきなりリラックスできそうな気がしてきました。
このお店の一代目だというご主人。
お寿司を握りながらいろいろな話をしてくれるのですが、驚いたのがご主人がお店を出したのは東京オリンピックの年だったという一言。
東京2020ではなくて、昭和39年に行われた方です。
『え?どういうこと?ご主人、かくしゃくとしているのは良いとして、オリンピックの時にお店を出したにしては若々しすぎる!』
これはアンチエイジングについて話を聞きたい!
と思いましたけど、さすがにそれは違うだろう、ということくらいはわきまえています。
前回の東京五輪開催当時、高速道路の開通などもあって活気に沸いていた焼津のお話などを聞かせていただきました。
お寿司に合うようにオーダーされたというオリジナルの磯自慢も楽しみのひとつ。
さて、カウンターに座った私に向かって掛けられた大将からの一言目は「お飲み物は?」です。
外では真夏の太陽が照りつけている土曜日の11時35分。
昼間から日本酒?と一瞬悩みましたが、今日はごほうびごはん。
気持ちが切り替わるまでにそれほど時間はかかりませんでした。
というのもご主人から見せられたのは、オリジナルラベルの磯自慢。
しかも「磯自慢とは古いつき合いで、うちのための専用タンクがあるんだよ」というエピソード。
しかも松乃寿司さんのオリジナル!
飲みたい!
本日のごほうびは『焼津でお鮨』から『焼津でお鮨と焼津の銘酒磯自慢』に微調整されました。
一緒に出てきたのは生じらす。
プリプリで新鮮な磯の香。ちょっとした苦みも大好きな味です。
そして磯自慢は・・・
まるで桃やメロンのようなフルーティな香り!
酸味もなくスーッと飲みやすい!
きりっと冷えてすっきりとした味わいなので、外の暑さが一瞬遠のくような気がします。
好ちょっと甘めのしゃりが好きな人なら、この味は抜群。
そしてさらに口福な時間がやってきます。
磯自慢を一口いただいて一通り盛り上がると、いよいよお鮨の時間です。
ご主人から「今日はどうしましょう?」と聞かれ、「お任せでお願いします」と答えました。
まずは白身系のさっぱりしたものいってみようか、とご主人。
最初に握られてきたのは「さわら」と「めいご」です。
さわらは知っているけどめいご?
「めいご」は静岡県で呼ばれている地方名で、全国的には「クログチ」と言われるそうです。でも足が早く、入荷量も少ないため、静岡より東ではあまり知られていないのだとか。たぶん私も初めてです。
食べてみると、身は柔らかく、ほんのり甘味があります。
こういう知らなかった美味しいお魚をいただけるのも、漁港近くのお寿司屋さんでおまかせで食べる醍醐味ですよね。
ところでこちらのお寿司を一口食べて、ちょっとした感動がありました。
それは、お寿司のシャリがほどよく甘く、にぎりがふんわり柔らかめだったこと。
実は私、ふんわり握ってある甘めのシャリが好みなんです。
でも、意外とこんなふうにちょうど良い甘みのあるシャリに出会えないので、これはとってもうれしい驚きでした。
「カウンターのお寿司はお箸だと食べずらいから、お好みで手で食べてもいいからね」。
という大将の気遣いが。
あ、私は早々に直接手でいただいていましたが。
女性のお客さんにはやや少なめに。男性のお客さんにはやや多めにシャリを握っているそうです。
さりげない心遣いです。
お任せのお寿司は全部で10貫。駿河湾のアジもミナミマグロも、幸せな美味しさ。
ここからは私が食べた美味しいお寿司をご覧いただきたいと思います。
言うまでもなく、全部美味しかったです。
冷えたオリジナルの磯自慢はご主人がおっしゃっていたとおり、松乃寿司さんのお鮨に一番合うお味で、最高のマリアージュ。
お酒が強くはない私でも、飲みやすく、お寿司を食べる手も止まりません。
駿河湾のアジと、甘えび。
地元で採れたというアジは、旨みがあってぷりっとした歯ごたえ。
肉厚の甘えびは、旨味たっぷりで思わず「美味しい!」と声に出してしまいました。
焼津港といえばマグロ。続いていただいたのはミナミマグロの大トロと中トロです。
南半球の海をしっかり泳いで脂を蓄えるから美味しいのだそうです。
口に入れた瞬間から上質な脂の甘さが広がってトロリととろけるような感覚。
美味しい。そしてしあわせ。
続いては、「ジンドウイカ」と「ほたて貝」。
ジンドウイカもめいごと同じく水揚げが少ないうえに足が早く、あまり出回らないらしいので、ここで出会えてラッキーです。柔らかくて噛むとじんわりした旨み。磯自慢がますます美味しく感じます。
続いては大きめのネタが一貫。マグロの赤身の漬けだそうです。
甘めのシャリによく合います。
最後は玉子。
居酒屋さんなどでも必ずだし巻玉子を注文する私。お寿司屋さんのたまごも大好きです。
日本酒もまだ残っているし、たまご焼きをおつまみに注文しようと決めました。
お任せのお寿司は全部で10貫でした。
「お任せはここで終わりだよ」とちゃんと大将が教えてくれます。
最後に、この存在を忘れてはなりません。
あさりの出汁だけで作られているというお味噌汁。お味噌を発酵させるところからこだわっているそうです。
とても満足した「おまかせ」の握り寿司。さて、気になるお値段は?
おまかせの10貫でお腹は十分に満たされていたのですが、日本酒があと少し残っていたのでおつまみを注文することにしました。
ご主人に相談をして、貝のお刺身の盛り合わせと玉子焼きをオーダー。
ちなみにお昼12時を過ぎた頃には常連さんらしきお客様も次々に来店されて、カウンターもテーブル席も店内は満席。
順番を待っているお客さんもいるようです。
赤貝、とり貝、ほたての盛り合わせが出てきました。
一人で飲むにはちょっと多かったかな、と思っていた日本酒も、きれいに美味しくいただくことができました。
玉子焼きの写真は撮り忘れましたが、今日のご褒美ごはんはここまで。
おまかせの握りに、オリジナルの磯自慢、貝の盛り合わせと追加の玉子焼きまで含めて、6,000円代の半ばくらい。
今回はお酒とおつまみまでしっかりいただきましたが、おまかせは3,000円から握っていただけるようです。
ところで漁港でお鮨を食べたい方はもちろん、磯自慢ファンの方にもぜひおすすめしたいと思って今回このブログを書き始めたのですが・・・。
まさかの静岡県の蔓延防止措置宣言。
焼津はいまのところ宣言には含まれていないようですが、ほかの地域から行くのは難しくなってしまいました。
状況が落ち着いたら、私もまたぜひ松乃寿司さんのお鮨と磯自慢のマリアージュを味わいたいと思っています。
★お店の基本情報
松乃寿司(焼津市)
所在地:焼津市本町4丁目6−3
※焼津駅から徒歩で10~15分ほどの住宅街の中にあります
予約:TEL 054-627-6666(私は電話で予約しました)
営業時間:11:00~14:00/17:00~21:00